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執筆者の写真Kawabe Fumi

7-② 換気のポイント

カテゴリー, 暖かくそして涼しく/換気の役割




今回は実際の換気の方法、しくみ、考え方などをお伝えしようと思います。


実は巷にはさまざまな換気システムが存在します。


残念ながら、どれが正解というものはありません。


それぞれにプラスマイナスがあるのです。


基本的な知識を理解し、納得したものを選んでいくことが大切になります。


換気の方法(1種~3種)


     これまでは窓などを介した自然給気・自然排気が換気の主流でした。

     しかし、2003年から24時間換気が義務化されたことで換気扇が各部屋に設置されるようになりました。


   換気扇には、1種〜3種の換気方法があります。


1種 機械給気+機械排気

2種 機械給気+自然排気

3種 自然給気+機械排気


     おそらく一番多いのが3種(自然給気、機械排気)だと思います。

     しかし自然給気だとどうしても吸う力が弱く、換気の効率はあまり良くありません。2種は3

種の逆になりますが住宅ではまず使われませんので飛ばします。

     これからの高気密高断熱の家には、1種(機械給気、機械排気)が基本になってくると思い

ます。

     1種にすることで換気の効率は良くなるのですが、よくよく考えてみると窓を開閉してるのと

システム的にはあまり変わらないんです。

     外気がそのままの気温で室内に入ってきてしまうわけですから。


     それを解消するのが、熱交換換気です。

     外気を交換器の特殊なフィルターを通すことで、室内の気温に限りなく近づけて給気すると

いう夢のようなシステムなんです。



ダクト式とダクトレス


     次にダクト式とダクトレスとに分けることができます。


     ダクトレスはいわゆる単体の換気扇です。

     コストもかからずメンテナンスも簡単です。

     しかし、家全体を換気できているかどうかがわからない、という問題があります。

     外部に面した壁などにしか設置できないので、局所換気になってしまう可能性があるので

す。


     一方、ダクト式は天井裏、床下などにダクトをはわせ、ピンポイントで換気した

     い部分をカバーできること、外部に面してない部屋も換気することができるというメリットが

あります。

     デメリットはイニシャルコストがかかる、メンテナンスに手間コストがかかるところです。


     地域や環境によっても最適解が変わってくるので、ひとつに決めつけないことが

     大事です。


効率の良い設計


      換気扇は、つけさえすればどこでもいい、というわけではありません。

      部屋全体、強いては家全体が換気されないとまずいわけです。

      部分的な換気しかなされない「局所換気」を避けなければいけません。


      そのためには、一般的に給気と排気の位置が部屋の対角線にあるといいとされ

      ています。

      冬のことを優先する場合は、給気口を低い位置に、排気を高い位置に設置する

      重力換気も考慮に入れましょう。


      最後に、換気扇を効率良く動作させるために重要なことが気密です。

      隙間がないと空気が換気扇に集中して吸われていくので、ロスがなくなるのです。



ここまで断熱、気密、換気とお話してきました。


この3つが一緒に稼働していないと効果が出ない、ということがわかっていただけたかと思います。


次回は、この3つを賢く利用して快適で長持ちする家にする方法をお伝えします。



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