カテゴリー, 自然素材の中で暮らす/天井
木の家・自然な家で、あなたの暮らしを楽しみませんか?
東京・多摩エリアの「つくり家工務店」です。
今回は、天井についてお話します。
あなたは天井についてどんなイメージを持っていますか?
正直言って、あまり意識されてない方が多いのではないかと思います。
平面の天井で何も問題はないからです。
天井のデザインは、こんなにできることがあります
まずは、天井にどんなことができるのか、いくつか挙げてみますね。
天井の形
勾配天井
勾配天井とは、斜めに傾斜をつけた天井のことです。2階に施工することが多いですが、屋根の勾配なりに(そうでないこともありますが)天井をつくります。天井に奥行き、広がりを持たせることができます。
下がり天井部分的に天井高を下げるもの。配管など施工上の都合で採用することが多いです。
折り上げ天井中央部分だけ天井を上げる方法。段差がつく部分で間接照明をつけるなどして強調します。縦の空間の広がりを感じさせる効果があります。
吹き抜け、1階梁組の表し
天井とはちょっと違いますが、2階の天井までの開放感を演出するのが吹き抜け。
1階に天井をつけずに2階の床組みを見せて天井の代わりにするのが、梁組の表しです。
ここまでは天井の形、見え方でしたが、ここからは素材です。
塗り壁
天井の仕上げには、各種壁紙が主に使われていると思いますが、珪藻土等塗り壁にすることもできます。
塗り壁の調湿機能を有効に取り入れるならば、壁だけではなく天井も施工するほうが良いでしょう。
木
和室の天井は昔から木の板ですが、洋室でも有効に使いたいですね。
床のように羽目板を張ったり、さまざまな大きさの木を格子状に付けていくのもいいですね。木の表情をデザインに生かす方法です。
基本的には平面の天井で良いですし、逆にガチャガチャいろんなことをやりすぎてしまっても落ち着かない雰囲気になってしまいます。
ですから、上記のような方法を取り入れて、部分的に強調してあげると、その部屋の格が上がります。
また、あなたはボーっとしたい時や考え事をする時に、思わずジーっと天井を眺めることがありませんか?
そんな時に、天井の意匠があなたの考え事の助けになるかもしれません(笑)
天井をもっと楽しむための「遊び」いろいろ
前述したように、天井の基本は平面でOKなんですが、ところどころでかまわないので遊んでみませんか?
機能性、合理性を追いすぎてしまうと、空間が窮屈になる時があります。
遊びや無駄な部分が、暮らしにゆとりや潤いを与えてくれるんです。
そもそも天井の役割って何だと思いますか?
実は、配管などを隠す、天井裏という空間をつくるぐらいしか役割がないんです。
だから、遊びを取り入れる余地が大きいとも言えます。
いくつか方法をご紹介しますね。
平面を強調する
何かを取り付ける、出っ張らせるだけがアクセントではありません。
平面を強調させるのもすっきりしていいですよ。
照明をダウンライトにし、天井からの出っ張り部分を極力なくす方法が手っ取り早いです。
左官塗りで珪藻土などの素材の色を変えてみるのもおもしろいです。
平面の天井をつくるとき、大工は部屋の真ん中あたりを少し張らせてつくります。
平面を強調するようにすると、天井に広がりを感じられるのです。
平面に化粧梁を施す
部屋の大きさによって変えていきますが、化粧梁を等間隔に何本か天井に張り付けると、ヨーロッパの古い田舎家風な雰囲気を醸し出したりします。
古材を使ったり、手斧(ちょうな)で加工した梁を使うと、さらに存在感が増します。
木材の張り方を工夫する
フローリングのように、天井に羽目板を張るのもいい雰囲気になります。
レッドシダーなど独特の風合いの樹種を選択することで、存在感が出ます。
3〜4センチ角の木をすのこ状に留めていくのもいいですね。
立体感が出てカッコいいです。
現場や空間の状況により臨機応変に変えていくのも、楽しみの一つ。
その家のシンボルになることが多いので、一緒に考えていきましょう。
これからの天井は機能性もポイントになります
「天井には機能的な役割がない」とお話しましたが、省エネ、高気密高断熱への移行が進む中、天井にも機能をもたせると、より快適な空間をつくることができます。
自然素材からは少しずれてしまうのですが、快適に暮らすためには有効なことなのでお話しますね。
天井高を下げる
これまでは吹き抜けなど天井高を上げることで、開放感、広がりを感じたいとするニーズに応えてきました。しかしこれからは、天井高を下げることで気積を減らすことが求められるようになってきています。気積とは、家全体における空気が存在する体積です。つまり、暖冷房する空間が減れば省エネに有効というわけです。
また副産物ではありますが、天井高を下げることによって家全体の軒高を下げることになり、材料代のコストが下がるというメリットもあります。
外観も、実は少し低めのほうがかっこいいという意見が多いです。
さらに人間は、本能的には開放感があるより少し狭いと感じるぐらいの空間のほうが安心するといいます。
これからは、天井高を下げることが常識になっていくかもしれません。
高気密高断熱に対応する
建物上部の断熱は、最上階の天井断熱か、屋根断熱となります。天井断熱を採用した場合、最上階の天井に施工する気密、断熱工事が大事になってきます。天井下地の骨組みをつくった段階で断熱材を天井裏に敷き詰めます。次に、天井下地の下に気密シートを張り、隙間ができないようにした上で天井材を張ります。
ダクト式換気システムを天井裏に設置する
ダクト式換気システムの設置、あるいは全館空調の設置に役立ちます。
家じゅうを張り巡らすダクトは天井裏に設置します。
天井を設置することでスマートにダクトを隠してくれます。
明るさを調節する
天窓、勾配天井を有効に使うことで明るさを調節できます。
天井の色を変えるだけでも、部屋全体の明るさを変えることができます。
防音対策
天井を防音仕様にすることで上階の音を抑えることができます。
家族でも音をある程度気にせず過ごせるのは、ストレスが減るのではないかと思います。
天井をひと工夫して設けることで、快適さの一助になれればいいですね。
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